狭心症治療薬
きょうしんしょうちりょうやく
狭心症治療薬とは、心臓の冠動脈が一時的に収縮または狭窄し、心筋への酸素供給が不足する状態を改善・予防する目的で使用される薬剤である。これにより、胸痛や胸部圧迫感といった症状を和らげる効果がある。狭心症は安静時でも労作時でも発症する可能性があり、症状や原因に応じて適切な薬剤を選択する必要がある。
狭心症治療薬には、主に硝酸薬、カルシウム拮抗薬、β遮断薬があり、それぞれの作用機序や副作用が異なる。
看護師は各薬剤の作用や副作用を理解したうえで、患者さんの状態に応じた観察や安全管理を行う必要がある。例えば、ニトログリセリンは強心薬発作時の緊急対処薬として舌下投与される薬剤だが、急激な血圧低下を引き起こす可能性があるため、投与時は臥位または座位を保ち、安静を指導する。
●用語を使用した例文
狭心症の患者さんに胸痛が出現したため、狭心症治療薬の投与を行った。
●用語に関連する国試過去問
狭心症発作時に舌下投与するのはどれか。
1. ヘパリン
2. ジゴキシン
3. アドレナリン
4. ニトログリセリン
第108回看護師国家試験(2018)
狭心症治療薬には、主に硝酸薬、カルシウム拮抗薬、β遮断薬があり、それぞれの作用機序や副作用が異なる。
表1 狭心症治療薬とその特徴
分類 | 主な薬剤名 | 主な特徴 | 主な副作用 |
---|---|---|---|
硝酸薬 | ニトログリセリン | 血管平滑筋を弛緩させて、心臓の前負荷・後負荷を軽減し、心筋の酸素消費量を減少させる 冠動脈を拡張させて心筋への酸素供給量を増加させる |
急激な血圧低下、心拍出量低下、心拍数増加、投与終了後の遷延性血圧低下、リバウンド現象 |
カルシウム拮抗薬 | ニフェジピン アムロジピン酸塩 |
動脈を拡張し血圧を下げることで、心臓の後負荷を軽減し、心筋の酸素消費量を減少させる |
<ニフェジピン> 紅皮症(はく脱性皮膚炎)、無顆粒球症、血小板減少、肝機能障害、黄疸、意識障害 <アムロジピン酸塩> 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、房室ブロック、横紋筋融解症 |
β遮断薬 | アテノロール ビソプロロールフマル酸塩 |
心拍数と心筋収縮力を抑制することで、心筋の酸素消費量を減少させる |
<アテノロール> 徐脈、心不全、心胸比増大、房室ブロック、洞房ブロック、失神を伴う起立性低血圧、呼吸困難、喘鳴、気管支痙攣、血小板減少症、紫斑病 <ビソプロロールフマル酸塩> 心不全、完全房室ブロック、高度徐脈、洞不全症候群 |
看護師は各薬剤の作用や副作用を理解したうえで、患者さんの状態に応じた観察や安全管理を行う必要がある。例えば、ニトログリセリンは強心薬発作時の緊急対処薬として舌下投与される薬剤だが、急激な血圧低下を引き起こす可能性があるため、投与時は臥位または座位を保ち、安静を指導する。
●用語を使用した例文
狭心症の患者さんに胸痛が出現したため、狭心症治療薬の投与を行った。
●用語に関連する国試過去問
狭心症発作時に舌下投与するのはどれか。
1. ヘパリン
2. ジゴキシン
3. アドレナリン
4. ニトログリセリン
第108回看護師国家試験(2018)
解答
4
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