看護用語集

舌下投与

ぜっかとうよ

舌下投与とは、薬剤を舌の下の粘膜から吸収させる投与方法である。薬剤が口腔粘膜の毛細血管を通って全身循環に入り、肝臓での代謝を受ける前に全身へ運ばれるため「初回通過効果」を回避できる。

舌下投与は、口腔粘膜からの迅速な吸収が期待できるため、狭心症の発作時に使用される硝酸薬(ニトログリセリンなど)の投与に活用される。硝酸薬は迅速な血管拡張作用をもち、正確な舌下投与によって症状の軽減や緊急対応に役立つ。

一方で、患者さんが舌下に置いた薬を噛み砕いたり飲み込んだりしてしまうと、吸収経路が腸に変わり、初回通過効果の影響を受けて薬剤の効果が低下する恐れがある。

看護師は、患者さんが薬剤を正しく舌下に保持できるかを確認する必要がある。また、内服しやすくするために、事前に少量の水で口腔内を湿らせることを促したり、薬剤の吸収を妨げないよう、投与中、直後の会話や嚥下を控えてもらうなど、適切な支援が求められる。

加えて、使用する薬剤は効果が急速に現れるため、副作用の出現にも留意する。例えば、硝酸薬では、血圧の低下やめまいを生じることがあるため、投与後は座位または臥位で安静に保ち、全身状態の変化を観察していく。

●用語を使用した例文
狭心症の発作時にニトログリセリン舌下投与する。

●用語に関連する国試過去問

狭心症発作時に舌下投与するのはどれか
 1.ヘパリン
 2.ジゴキシン
 3.アドレナリン
 4.ニトログリセリン
  第108回看護師国家試験(2019年)
 
解答

4



監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:p

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