看護用語集

初回通過効果

しょかいつうかこうか

初回通過効果とは、投与された部位から薬物が吸収され全身循環に移行する段階で肝臓などを通過するときに代謝され薬物の効果が落ちることをいう。

体内における薬物の動きを「薬物動態」といい、これは、吸収(absorption)、分布(distribution)、代謝(metabolism)、排泄(excretion)の4要素(ADME)で構成されている。「薬物動態」の吸収とは、薬物が吸収部位から血管に取り込まれることをいい、静内で投与された薬剤は、その全量が吸収されるが、それ以外の投与経路では、血液に吸収される割合が異なる。例えば、経口投与した薬物の主な吸収場所は小腸で、小腸内から腸壁を通り、血流に乗って門系に入り、肝臓で部分的に代謝されてから、全身循環に入る。消化管を通過しない「経皮」「口腔(舌下錠)」「鼻腔」などは肝臓の代謝による「初回通過効果」の影響は受けない。


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:岸本智砂子(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

同音異義語・略語
初回通過効果の同音異義語・略語は未登録です
「初回通過効果」に関する看護記事
該当する記事がありません
新着の看護記事
  • 人気の看護記事