看護用語集

CPAP

しーぱっぷ

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure、持続気道陽圧、あるいは、持続呼吸陽圧療法、経鼻的持続呼吸陽圧療法、持続的気道陽圧法)とは、呼吸をしているときに鼻から持続的に陽圧をかけた空気を気道に送る方法で、呼吸をサポートするものである。

専用の機械につながったマスクを鼻に装着し、持続的に陽圧をかけることで気道内の圧力が上がり、肺胞内の圧力も上がる。陽圧をかけないときと比較して気道は広がり、肺胞は潰れにくくなることから、気道閉塞の防止や肺の酸素化の改善が期待できる。

CPAPは、突然死の1つの要因とされている睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療として日常的に使用される場合や、心不全肺水腫などに対して非侵襲的陽圧換気(NPPV)で急性期に用いられることがある。そのほか、人工呼吸器から自己呼吸に移行するときのウィーニング時にも使用される。

褥瘡評価には、改定DESIGN-RⓇ2020(Depth:深さ、Exudate:滲出液、Size:大きさ、Inflammation/Infection:炎症/感染、Granulation:肉芽組織、Necrotic tissue:壊死組織、Pocket:ポケット)という褥瘡評価スケールが用いられ、褥瘡の重症度や治癒過程を継続的に評価する。

SASは、日中の高血圧心筋梗塞脳梗塞(心血管系イベント)の発症、心不全の発症や増悪に関与しているといわれており、CPAPを用いることでSASが原因で引き起こされる上記の症状の改善が期待できる。
重症のSASに対してCPAP治療を行った場合と行わなかった場合を比較した研究では、CPAP治療を行ったほうが死につながる恐れがある心血管系リスクを減少させることが明らかになっている。

●用語を使用した例文
睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対してCPAP療法を行い、日中の眠気が改善した。

●参考文献
一般社団法人 日本呼吸器学会:呼吸器Q &A.(2024年5月14日閲覧)https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q32.html
一般社団法人 日本呼吸器学会:睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020.(2024年5月14日閲覧)https://www.jrs.or.jp/publication/file/guidelines_sas2020.pdf
日本救急医学会:医学用語解説集 持続的気道陽圧法.(2024年5月14日閲覧)https://www.jaam.jp/dictionary/dictionary/word/0224.html
Jose M Marin:Long-term cardiovascular outcomes in men with obstructive sleep apnoea-hypopnoea with or without treatment with continuous positive airway pressure: an observational study.Lancet. 2005年3月;365(9464):1046-53.(2024年5月14日閲覧)

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
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