褥瘡
じょくそう
褥瘡とは、寝たきりなどによって起こる長時間の圧迫によって一血流が阻害され、皮膚細胞に酸素や栄養が不足することで生じる皮膚の損傷である。
脳血管障害でADL(日常生活動作)が全介助となり、自力での体位変換が困難な患者さんや、悪性腫瘍や心不全などで胸水貯留が生じ、呼吸困難感の緩和のために長時間座位姿勢になっていたり、しわの寄ったシーツの上に長時間臥床していたりと、長い時間同じ箇所に圧迫を受けている人、 エネルギーやタンパク質などが不足した低栄養状態の人、湿潤環境が高く皮膚が脆くなっている人などが罹患しやすいとされる。
NPUAPの褥瘡分類では、褥瘡の深さによって4つのステージと、深さが不明な2つの状態の6つにカテゴリ分けされている。
持続する発赤の状態が褥瘡のステージⅠと判定され、ステージが進行すると潰瘍や壊死が生じて感染症や合併症を引き起こすことがあり、デブリードマンと呼ばれる壊死組織を外科的に取り除く治療が必要になる場合がある。
褥瘡の評価には、改定DESIGN-RⓇ2020(Depth:深さ、Exudate:滲出液、Size:大きさ、Inflammation/Infection:炎症/感染、Granulation:肉芽組織、Necrotic tissue:壊死組織、Pocket:ポケット)という褥瘡評価スケールが用いられ、褥瘡の重症度や治癒過程を継続的に評価する。
予防策としては、定期的な体位変換や寝具などを用いて適切な体圧分散を行うこと、寝衣を整えてしわによる圧迫を防ぐこと、皮膚を清潔に保ち保湿を心掛けること、適切な栄養管理などが挙げられる。
●用語を使用した例文
ADLが全介助のため、定期的に体位変換を行い褥瘡の予防に努める。
●用語に関連する国試過去問
仙骨部に皮下組織に達する褥瘡がある患者が入院となった。患者は車椅子の利用を主治医に許可されている。この患者に対する多職種で行う褥瘡ケアにおいて、受け持ち看護師が担う役割で適切なのはどれか。
1.薬剤師に外用薬の処方を依頼する。
2.事務職員に汚染ガーゼの廃棄を依頼する。
3.介護職員にドレッシング材の選択を依頼する。
4.理学療法士と車椅子乗車時の除圧方法を検討する。
第110回看護師国家試験(2021年)
褥瘡の深達度分類で水疱形成のステージはどれか。
1.Ⅰ
2.Ⅱ
3.Ⅲ
4.Ⅳ
第111回看護師国家試験(2022年)
側臥位における褥瘡の好発部位はどれか。
1.後頭部
2.耳介部
3.仙骨部
4.肩甲骨部
第113回看護師国家試験(2024年)
脳血管障害でADL(日常生活動作)が全介助となり、自力での体位変換が困難な患者さんや、悪性腫瘍や心不全などで胸水貯留が生じ、呼吸困難感の緩和のために長時間座位姿勢になっていたり、しわの寄ったシーツの上に長時間臥床していたりと、長い時間同じ箇所に圧迫を受けている人、 エネルギーやタンパク質などが不足した低栄養状態の人、湿潤環境が高く皮膚が脆くなっている人などが罹患しやすいとされる。
NPUAPの褥瘡分類では、褥瘡の深さによって4つのステージと、深さが不明な2つの状態の6つにカテゴリ分けされている。
持続する発赤の状態が褥瘡のステージⅠと判定され、ステージが進行すると潰瘍や壊死が生じて感染症や合併症を引き起こすことがあり、デブリードマンと呼ばれる壊死組織を外科的に取り除く治療が必要になる場合がある。
褥瘡の評価には、改定DESIGN-RⓇ2020(Depth:深さ、Exudate:滲出液、Size:大きさ、Inflammation/Infection:炎症/感染、Granulation:肉芽組織、Necrotic tissue:壊死組織、Pocket:ポケット)という褥瘡評価スケールが用いられ、褥瘡の重症度や治癒過程を継続的に評価する。
予防策としては、定期的な体位変換や寝具などを用いて適切な体圧分散を行うこと、寝衣を整えてしわによる圧迫を防ぐこと、皮膚を清潔に保ち保湿を心掛けること、適切な栄養管理などが挙げられる。
●用語を使用した例文
ADLが全介助のため、定期的に体位変換を行い褥瘡の予防に努める。
●用語に関連する国試過去問
仙骨部に皮下組織に達する褥瘡がある患者が入院となった。患者は車椅子の利用を主治医に許可されている。この患者に対する多職種で行う褥瘡ケアにおいて、受け持ち看護師が担う役割で適切なのはどれか。
1.薬剤師に外用薬の処方を依頼する。
2.事務職員に汚染ガーゼの廃棄を依頼する。
3.介護職員にドレッシング材の選択を依頼する。
4.理学療法士と車椅子乗車時の除圧方法を検討する。
第110回看護師国家試験(2021年)
解答
4
褥瘡の深達度分類で水疱形成のステージはどれか。
1.Ⅰ
2.Ⅱ
3.Ⅲ
4.Ⅳ
第111回看護師国家試験(2022年)
解答
2
側臥位における褥瘡の好発部位はどれか。
1.後頭部
2.耳介部
3.仙骨部
4.肩甲骨部
第113回看護師国家試験(2024年)
解答
2
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