看護用語集

肺水腫

はいすいしゅ

肺水腫 とは、何かしらの要因で毛細血管から液体成分が肺胞内へ移動し、貯留している状態である。肺胞では毛細血管を通じて酸素と二酸化炭素が交換されているが、肺水腫が生じるとガス交換が障害され 、低酸素血症につながる恐れがある。

要因を大別すると心原性肺水腫と非心原性肺水腫がある。心原性肺水腫は、心筋梗塞や弁膜症などによる左心不全によって肺の毛細血管でうっ血が生じ、毛細血管から肺胞へ液体成分が滲み出ることで起こると考えられる。

非心原性肺水腫は、心臓以外の要因で肺の毛細血管から液体成分が漏れやすくなったために生じるものである。例えば、過剰な輸液による肺の血液量の増加や、敗血症によって全身の血管透過性が亢進し、肺の毛細血管から液体成分が肺胞に出ていくことなどが挙げられる。また、肺炎敗血症などの炎症によって発症する急性呼吸窮迫症候群(ARDS) も非心原性肺水腫である。

肺水腫によく見られる症状として呼吸困難があり、患者さんの呼吸状態に注意する必要がある。また液体成分が肺胞に貯留していることによる、喘鳴、血性の泡沫状痰、咳嗽がみられることや、聴診では水泡音 を確認できる場合があり、患者さんは起坐呼吸を呈する。

●用語を使用した例文
呼吸困難を訴える患者さんに対して、肺水腫の可能性を考えて肺音聴診する。

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
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