看護用語集

ARDS

えーあーるでぃーえす

ARDSとは、acute respiratory distress syndromeの略で、急性呼吸切迫症候群のこと。肺炎敗血症、外傷などのさまざまな原因により、重篤な呼吸不全を来す病態の総称である。

重度の低酸素血症を主症状とし、心臓や脳をはじめとする多臓器が機能不全に陥るため、緊急治療を必要とする。治療呼吸管理が中心となり、気管チューブやマスクを用いた人工呼吸管理のほかに、酸素化改善のための体位呼吸療法(腹臥位管理)が行われることもある。また、肺炎敗血症などに対しては、抗微生物薬による治療が行われるが、ARDSの生存率を改善する効果が認められた薬剤は現時点ではない。

■参考文献
●日本集中治療医学会,他:ARDS 診療ガイドライン 2022.日集中医誌,2022;29:295-332.
●井部俊子,他:ARDS. 図解看護・医学辞典 第8版.医学書院,2017,p.199.
●田坂定智:ベルリン定義からみたARDSの病態と呼吸管理−機能的予後の改善を未ざして−.日本呼吸ケアリハビリテーション学会誌 2016;25(1): 66-71.
●The ARDS definition task force: Acute respiratory distress syndrome. The Berlin definition. JAMA, 307,2012,p.2526-33.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:小野香奈(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

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