看護用語集

ショックリスク状態

しょっくりすくじょうたい

ショックリスク状態とは、体内の血流不足が生じやすく、細胞の働きが低下する恐れがある状態である。NANDA-Iの看護診断では「細胞機能障害につながる可能性がある、組織への不十分な血液供給が起こりやすく、健康を損なうおそれのある状態1)」と定義されている。

ショックは、外傷、感染症、肝疾患、心疾患、神経系疾患、糖尿病化学療法放射線治療など、さまざまな疾患や治療に関連して発生する可能性がある。具体的な要因として、出血、体液量不足、体温異常(低体温高体温)、低酸素血症感染予防の不十分、喫煙、不安定な血圧薬剤管理の不備、水分喪失などが挙げられる。

ショックが進行すると、最終的に多臓器不全に至り、生命の危機に陥る恐れがある。そのため、早期にリスクを把握し、適切に対応することが重要である。

看護師は、ショック進行を早期に把握するため、心拍数・血圧尿量・SpO₂、意識レベル、末梢温、皮膚色、呼吸状態、具体的な要因を総合的に評価する。必要に応じて、転倒予防酸素投与、保温、輸液、薬物療法などを適切に行い、状態悪化を防ぐ。また、めまい、息切れ、冷汗などの自覚症状が現れた際に、患者さんが速やかに報告できるよう支援する。

●用語を使用した例文
ショックリスク状態の早期発見を目的として、看護計画を立案する。

●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類 第12版.医学書院,2021,p.508.

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:山﨑博貴

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