看護用語集

視床出血

ししょうしゅっけつ

視床出血とは、脳内出血のうち、視床に出血が起きた状態を指す。視床は、内包(視床と大脳基底核の間にある白質部)の内側の部位であり、内側型出血とも呼ばれる。脳出血のうち、視床出血が約30%を占める。

主な原因は高血圧であり、視床出血は高血圧性脳内出血に分類される。

症状意識障害、眼球の内下方偏位、縮瞳と対光反射の減弱、対側の麻痺(顔面含む)・感覚障害、運動失調などがある。また、視床性失語、病態失認、視空間失認などの高次脳機能障害がみられる。 視床出血後の予後・後遺症は、血腫の大きさ、出血による損傷部位・範囲と脳室穿破の有無などによって変わる。

診断:急性期の診断には、CTが最も有用であり、重症度の判定に欠かせない。

治療:内科的治療が中心となる。脳卒中治療ガイドラインでは、視床出血手術治療について、急性期の血腫除去は科学的根拠がないとし、血腫の脳室内穿破を伴う場合、脳室拡大の強いものには脳室ドレナージ術を考慮してもよいとしている。

その他:視床出血は再出血や水頭症などが起きる可能性があるため、看護師患者の意識低下や血圧上昇などの急変徴候に注意する必要がある。
血腫量や脳画像による予後予測が可能になってきており、リハビリテーションを実施する上で有用な情報となる。

参考文献:日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会 編:脳卒中治療ガイドライン2021.2021年(協和企画).

執筆:広田沙織
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