看護用語集

失語

しつご

失語とは、脳の障害により、読む・書く・話す・聞くなどの言語機能が失われた状態をいう。高次脳機能障害で多くみられる。

言語中枢は、言語表出を担うBroca野(ブローカ野)と言語理解を担うWernicke野(ウェルニッケ野)の2つが存在する。Broca野は運動性言語中枢で、この部位に障害が起きると言語理解は可能だが会話が非流暢となり、発話が難しくなる(Broca失語)。一方、Wernicke野は感覚性言語中枢で、この部位に障害が起きると言語理解は困難となる。流暢な会話は可能なものの、言いたいことを誤って発語してしまう語性錯誤を認めることが多い(Wernicke失語)。

失語症では長文の理解や発話が難しいため、短文や単語を使いながらゆっくり話したり、ジェスチャーや絵などの非言語的コミュニケーションを用いたりすることが必要である。

■参考文献
●河村満 : 高次機能障害.病気がみえるvol.7 脳・神経 第2版.メディックメディア,2017,p.160-2.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:大田彩乃(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

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