看護用語集

不穏

ふおん

不穏(agitation;restlessness)とは、患者が不安げで落ち着きがなく、興奮する状態を表す。

不穏を引き起こす原因はさまざまで、痛みなどの身体的苦痛やせん妄、不安などが挙げられる。高齢者認知症患者では、入院に伴う環境変化に適応できず、不穏が起こるリスクが高い。「夜間なかなか眠れず、急に暴れだして大声をあげる」「点滴などのチューブ類を引っ張って抜こうとする」などの行動がみられることがあり、ベッドからの転落や自己抜去などの事故が生じるおそれがある。不穏予防・対処には、不穏を引き起こす原因をアセスメントし、原因をできる限り除去することが求められる。

不穏と混同して用いられやすい用語に「せん妄」があるが、不穏は落ち着きのない“状態”を表す言葉であるのに対し、せん妄は“意識障害の一つ”であり、不穏を引き起こす要因である。


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:小野香奈(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

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