看護用語集

アセスメント

あせすめんと

アセスメントとは、対象や事象について、情報を収集、整理、分析、評価する一連の過程のことで、看護計画を立案するための(看護過程)の1つである。

アセスメントでは主に主観的情報と客観的情報を収集する。主観的情報は患者さんに聴取した主訴や要望、場合によって家族や介護者から収集した情報を指し、客観的情報はバイタルサインや血液検査などのデータ、既往歴、フィジカルイグザミネーションを行って得た情報などを指す。看護計画を立案するために、これらの客観的および主観的情報を整理、分析・評価する。

アセスメントの際には、看護理論を枠組みとしたアセスメントツールなどを活用すると便利である。例として、ゴードンの「11の機能的健康パターン」、ヘンダーソンの「14の基本的欲求」、ロイの「4つの適応様式」、オレムの「セルフケア理論」 などが挙げられる。

アセスメントで得た情報をもとに分析、解釈して、現在の看護問題や今後想定されるリスクを抽出する看護診断を行う。その後、それぞれに適した看護計画を立案して、患者さんの個別性を踏まえた目標を考慮し、看護介入を実施する。そして適宜看護ケアを実施した後の評価を行う。これが看護過程の一連の流れである。

実施、評価を行った後、問題の解決が図れなかった場合、再度アセスメント看護計画の立案、実施、評価といった一連の看護過程を展開し、患者さんの看護問題の解決を図る。

図 看護過程の一連の流れ
shinhuzen

●用語を使用した例文
アセスメントを行い患者さんの全体像を把握する。

●用語に関連する国試過去問

看護師が行う看護過程で適切なのはどれか。
1. 問題解決思考である。
2. 医師の指示の下で計画を立てる。
3. 看護師の価値に基づいてゴールを設定する。
4. アセスメント、計画立案、評価の3段階で構成される。
 第108回看護師国家試験(2019年)
 
解答

1



看護過程における客観的情報はどれか。
 1. 家族の意見
 2. 患者の表情
 3. 患者の痛みの訴え
 4. 患者の病気に対する思い
第113回看護師国家試験(2024年)

 
解答

2


●参考文献

日本看護科学学会:看護学を構成する重要な用語集.(2024年6月14日閲覧) https://www.jans.or.jp/uploads/files/committee/yogoshu.pdf
日本看護協会:看護にかかわる主要な用語の解説 改訂版.(2024年6月14日閲覧) https://www.nurse.or.jp/nursing/assets/yougokaisetu_202311.pdf

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
監修:掛本知里(有明医療大学看護学部看護学科 学部長・学科長)
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