看護用語集

出血リスク状態

しゅっけつりすくじょうたい

出血リスク状態とは、出血によって体内の血液が失われることで、健康障害を引き起こす可能性がある状態を指す。NANDA-Iの看護診断では「血液量が減少しやすく、健康を損なうおそれのある状態1)」と定義されている。

出血リスクを高める要因には、外科的処置や侵襲的検査、外傷、出産、瘤や硬化、腫瘍、消化管の潰瘍や穿孔、血小板の減少や機能異常、抗凝固薬や抗血小板薬の使用などが挙げられる。

この状態にある患者さんには、リスク要因を把握したうえで、出血の予防的介入と早期発見が求められる。例えば、大腸潰瘍や瘤では、排便時の怒責や硬便が出血のきっかけとなることがある。そのため、水分や食物繊維を十分に摂取させること、下剤の使用の検討、排便周期の管理、血圧のコントロールなどが必要である。

出血の早期発見には、バイタルサインや意識レベルの変化、頭痛、倦怠感めまい、冷汗、嘔気、吐血、血尿の有無、便の色や性状ドレーン排液量や性状の変化などを、リスク要因に応じて継続的に観察することが重要である。患者さんの状態変化を早期に察知し、適切に対応することで、重症化の防止に繋がる。

●用語を使用した例文
瘤がある患者さんに対して、出血リスク状態に応じた看護計画を立案した。

●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類 第12版.医学書院,2021,p.466.

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:山﨑博貴

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