看護用語集

倦怠感

けんたいかん

倦怠感とはいわゆる「だるさ」や「疲労感」を表現したもので、身体的または精神的な疲労により、活動に対する意欲が低下している状態である。

その要因は、身体的な疾患や薬剤副作用の影響から、過労、睡眠不足、不規則な生活、精神的なストレス、食事摂取量の低下といった日常生活によるものまでさまざまある。

倦怠感は、患者さんの日常生活や治療意欲に影響を与えるため、看護師は考えられる倦怠感の根本要因に応じた適切なケアを実践していく。

例えば、感染症や心不全や悪性腫瘍などの疾患が要因と考えられるなら、まずはそれらの治療を行う必要がある。また、化学療法放射線治療を受けている患者さんの場合は、治療に伴う副作用が要因の1つとなり得るため、症状の緩和を目的とした介入が必要となる。

そのほか、日常生活や精神的なストレスも倦怠感の要因になると考えらえることから、睡眠や食事が十分に取れるよう療養環境を整えることや、患者さんの不安やストレスを軽減するための心理的なサポートも検討する。

●用語を使用した例文
悪性腫瘍が要因で倦怠感が生じているため、個別性のある看護を実践する。

●用語に関連する国試過去問

Aさん(71歳、女性)は夫と10年前に死別し、1人で暮らしている。息子は結婚して他県に住んでいる。Aさんは、3か月前に脳梗塞を発症して要介護1となり、介護老人保健施設に入所した。Aさんは老人性白内障があるがADLに支障はなく、認知機能やコミュニケーションに問題はない。食事は自力で摂取できる。紅茶が好きで、毎日カップ2、3杯は飲んでいる。我慢できない強い尿意があり尿が漏れてしまうため、下着に尿取りパッドを付けている。トイレには自力で移動でき、下着やズボンの上げ下ろしは自立している。排便は2日に1回である。

4、5日前からAさんは倦怠感を訴え、ベッドで寝ていることが多くなった。食欲が落ちてきて、1日の水分摂取量も減少した。トイレでの排尿が間に合わないことが多くなり、頻回に尿失禁するようになった。看護師がAさんの尿取りパッドの交換介助すると尿臭が強く、色も茶褐色であった。Aさんが「おしっこをするとお腹の下の方が痛い。体がだるい」と看護師に訴えたため、体温を測定すると37.5℃であった。看護師がAさんの状況を施設の医師に報告すると、抗菌薬を内服するように指示が出された。

Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
 1. 日中に飲水を勧める。
 2. 下腹部をマッサージする。
 3. 抗菌薬は自分で管理してもらう。
 4. 昼間は離床して過ごすように促す。
  第113回看護師国家試験(2024年)
 
解答

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監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
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