看護用語集

抗菌薬

こうきんやく

抗菌薬とは、細菌の増殖を抑制または死滅させることを目的とした薬剤の総称である。細菌感染症の進行を防ぎ、症状を改善するために用いられる。「抗生物質」と混同されることが多いが、抗生物質は微生物が産生する天然の物質を指すのに対し、抗菌薬はそれに加えて化学合成された薬剤も含まれる。

抗菌薬の種類には、ペニシリン系、セフェム系、マクロライド系、テトラサイクリン系、アミノグリコシド系、ニューキノロン系などがあり、それぞれ作用機序や適応菌種、副作用など、特徴が異なる。

抗菌薬は、作用する細菌の範囲を示す「スペクトラム」で分類され、原因菌が特定される前の初期段階では、幅広い菌に効果がある広域スペクトラムの抗菌薬が用いられることがある。その後、原因菌が同定された場合は、その菌に特異的に作用する狭域スペクトラムの抗菌薬に切り替えられる。耐性菌の発生を防ぐために、必要最小限かつ適切な用量・期間で、適切なスペクトラムの抗菌薬の投与が重要である。

看護師は、患者さんが抗菌薬について理解し、適切に服用できるように支援することが求められる。静投与の場合には、投与速度や点滴ラインの管理に注意する。さらに、感染症に伴うバイタルサインや感染臓器にみられる症状を継続的に観察し、効果の判定や副作用の早期発見に繋げることが大切である。

●用語を使用した例文
抗菌薬の投与中は、下痢や皮疹などの副作用の出現に注意して観察していく。

●用語に関連する国試過去問

抗菌薬について正しいのはどれか
 1.ウイルスに有効である
 2.経口投与では効果がない
 3.耐性菌の出現が問題である
 4.正常の細菌叢には影響を与えない
  第113回看護師国家試験(2024年)
 
解答

3



監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:p

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