看護用語集

オピオイド鎮痛薬

おぴおいどちんつうやく

オピオイド鎮痛薬とは、脳や脊髄などの中枢神経系および末梢神経系に存在する「オピオイド受容体」に作用することで、痛みの伝達を抑制する薬剤である。主にがん性疼痛、手術後の疼痛、慢性疼痛などの緩和に使用される。オピオイド鎮痛薬を単体で用いることもあれば、他の鎮痛薬と併用することもある。

オピオイド鎮痛薬は作用の強さに応じて、弱オピオイドと強オピオイドに分けられる。強オピオイドは、麻薬性鎮痛薬である。

表1 オピオイド鎮痛薬の種類と主な薬剤
種類代表的な薬剤
弱オピオイド コデインリン酸塩水和物、トラマドール塩酸塩
強オピオイド モルヒネ塩酸塩水和物、オキシコドン塩酸塩水和物、フェンタニルクエン酸塩、ヒドロモルフォン塩酸塩

経口薬には徐放性製剤と速効性製剤があり、そのほかに貼付薬、坐薬注射薬など多様な剤形がある。患者さんの状態や生活背景を踏まえて、適切な薬剤が選択される。

主な副作用として、便秘悪心、嘔吐などの消化器症状や、眠気、めまいなどの中枢神経系症状が挙げられる。なかでも便秘は遭遇頻度が高く、下剤と併用することが多い。また、過量投与により呼吸抑制を引き起こす可能性があるため、日々の投与量の管理には注意が必要である。

看護師は、患者さんの痛みの程度や持続時間、副作用の有無を観察し、疼痛緩和や副作用の管理、排便コントロールなどを含めた全人的なケアを実践することが求められる。また、患者さんやその家族はオピオイドに対して不安や誤解を抱くこともあるため、適切な知識に基づいた説明を行うことも重要である。

●用語を使用した例文
手術後の痛みに対して、オピオイド鎮痛薬を使用して適切な疼痛コントロールを行う。

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
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