便秘
べんぴ
便秘とは、便の排出が困難または排便の回数が減少し、十分量の便を快適に排出できなくなった状態である。主に、腹痛、硬便、残便感、肛門や直腸の閉塞感、怒責や用手排便が必要となるような排便困難といった症状を伴う。
便秘は大きく分けて器質性便秘と機能性便秘に分類される。器質性便秘は悪性腫瘍、腫瘤による腸管の狭窄などが原因で便の排出が困難になる状態である。機能性便秘は薬剤の副作用、水分や食物繊維の摂取不足、神経筋疾患による腹圧低下や直腸感覚低下、精神的ストレスなど、器質性以外で起こる便秘を指す。
機能性便秘はさらに、大腸の輸送能力の低下により起こる大腸通過遅延型と、輸送能力は正常だが排便の回数や排便量が減少する大腸通過正常型、直腸にある便を十分かつ快適に排出できず残便感がある機能性便排出障害に分けられる。
機能性便秘の場合は、 治療初期の段階で食事・生活習慣の改善を目指して、十分な食物繊維や水分の摂取や規則正しい排便習慣、適度な運動などを促すことが重要である。それでも改善が乏しい場合は、次の段階として浸透圧性下剤(酸化マグネシウム、ルビプロストン、ラクツロースなど)や刺激性下剤(センノシド、センナ)などの薬物療法が検討される。
自力での便の排出が難しい場合は、浣腸や摘便を実施することもある。浣腸は立位で実施すると腸管損傷のリスクがあるため、左臥位で実施する。
便秘は患者さんのQOLに影響を及ぼすため、看護師として適切な介入が求められる。排便状況の把握とその評価をもとに生活習慣の改善に向けた助言や支援が大切である。また、薬物療法が適切に実施されているかなど、ときにコンプライアンスの向上に向けた介入も行う。
●用語を使用した例文
加齢に伴う身体的な変化から高齢者に便秘が起こりやすくなる。
●用語に関連する国試過去問
大腸の狭窄による便秘はどれか。
1. 器質性便秘
2. 痙攣型便秘
3. 弛緩型便秘
4. 直腸性便秘
第111回看護師国家試験(2022年)
便秘は大きく分けて器質性便秘と機能性便秘に分類される。器質性便秘は悪性腫瘍、腫瘤による腸管の狭窄などが原因で便の排出が困難になる状態である。機能性便秘は薬剤の副作用、水分や食物繊維の摂取不足、神経筋疾患による腹圧低下や直腸感覚低下、精神的ストレスなど、器質性以外で起こる便秘を指す。
機能性便秘はさらに、大腸の輸送能力の低下により起こる大腸通過遅延型と、輸送能力は正常だが排便の回数や排便量が減少する大腸通過正常型、直腸にある便を十分かつ快適に排出できず残便感がある機能性便排出障害に分けられる。
機能性便秘の場合は、 治療初期の段階で食事・生活習慣の改善を目指して、十分な食物繊維や水分の摂取や規則正しい排便習慣、適度な運動などを促すことが重要である。それでも改善が乏しい場合は、次の段階として浸透圧性下剤(酸化マグネシウム、ルビプロストン、ラクツロースなど)や刺激性下剤(センノシド、センナ)などの薬物療法が検討される。
自力での便の排出が難しい場合は、浣腸や摘便を実施することもある。浣腸は立位で実施すると腸管損傷のリスクがあるため、左臥位で実施する。
便秘は患者さんのQOLに影響を及ぼすため、看護師として適切な介入が求められる。排便状況の把握とその評価をもとに生活習慣の改善に向けた助言や支援が大切である。また、薬物療法が適切に実施されているかなど、ときにコンプライアンスの向上に向けた介入も行う。
●用語を使用した例文
加齢に伴う身体的な変化から高齢者に便秘が起こりやすくなる。
●用語に関連する国試過去問
大腸の狭窄による便秘はどれか。
1. 器質性便秘
2. 痙攣型便秘
3. 弛緩型便秘
4. 直腸性便秘
第111回看護師国家試験(2022年)
解答
1
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