看護用語集

QOL

きゅーおーえる

QOL(クオリティオブライフ:quality of life)とは、生活の質や生命の質のことを指す。生きがい、満足度などの精神面や身体面から測定される。

従来の医療では、より長く生きることに焦点が当てられていたが、近年では、疾病との共存を含めた健康観が意識されるようになってきており、人々が疾病や障害を抱えながらもQOLを向上させ、自分らしい生活、充実した人生を送れるようにすることを重要視している。1946年のWHO憲章前文においても、健康の概念として、「健康とは単に疾病がないとか、虚弱でないということではなく、身体的・精神的・社会的に完全な良好な状態である」1)と掲げられている。

QOLが重要視される背景としては、慢性疾患に対する治療の普及や高齢化もあるといえる。

QOLを向上させるための要素は、対象者によってそれぞれ異なる。例えば、がんによる苦痛症状の緩和、手術後の機能低下に対する日常生活動作(activities of daily living:ADL)の向上、さまざまな形の社会参加などが挙げられる。

■引用・参考文献
1) 世界保健機関(World Health Organization):世界保健憲章.(2023年3月27日閲覧)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000026609.pdf
●尾島俊之:公衆衛生の理念.公衆衛生看護学概論 第6版.医学書院,2021,p.7-10.
●小澤温:障害者福祉. 公衆衛生がみえる2022-2023 第5版.医療情報科学研究所,編. メディックメディア,2022, p.254.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:大田彩乃(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

同音異義語・略語
QOLの同音異義語・略語は未登録です
「QOL」に関する看護記事
該当する記事がありません
新着の看護記事
  • 人気の看護記事