誤嚥リスク状態
ごえんりすくじょうたい
誤嚥リスク状態とは、口腔内や胃の内容物などが誤って気管内に流入する恐れがある状態である。NANDA-Iの看護診断では「気管や気管支に消化管分泌物・口腔咽頭分泌物・固形物・液体が侵入しやすく、健康を損なうおそれのある状態1)」と定義されている。
嚥下機能の低下や咳嗽反射の減弱、食事中のむせ込みや食後の湿性咳嗽などの徴候がみられる場合、この看護診断の適用が検討される。ただし、誤嚥リスク状態と診断していなくても、不顕性誤嚥が生じていることがあるため、注意が必要である。
誤嚥リスク状態は、脳卒中、パーキンソン病、認知症などの神経変性疾患のほか、胃腸の運動低下、加齢に伴う筋力や認知機能の低下、ADL低下による長期臥床で廃用の進行、薬剤による影響、経腸栄養チューブの位置異常など、さまざまな要因によって引き起こされる。また、口腔内に唾液や内容物が溜まると気管内へ流入するリスクが高まるため、口腔内の衛生環境も影響する。
看護師は、患者さんのADLや生活背景を考慮しながら、誤嚥の予防に向けたアセスメントと対応を継続的に行うことが求められる。例えば、臥床時や食事の際には、30度以上のギャッチアップや安定した座位姿勢を保持するなど、誤嚥を防ぐための適切な体位調整を行う。さらに、原疾患に伴う感覚障害の有無に加え、嚥下の状態や咳嗽反射の強さなどを観察し、刻み食やとろみ付きなど状況に応じた食事形態の調整と、継続的な口腔ケアなど実施する。
●用語を使用した例文
加齢に伴う嚥下機能低下から誤嚥リスク状態が考えられる。
●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版 医学書院,2021,p.465.
嚥下機能の低下や咳嗽反射の減弱、食事中のむせ込みや食後の湿性咳嗽などの徴候がみられる場合、この看護診断の適用が検討される。ただし、誤嚥リスク状態と診断していなくても、不顕性誤嚥が生じていることがあるため、注意が必要である。
誤嚥リスク状態は、脳卒中、パーキンソン病、認知症などの神経変性疾患のほか、胃腸の運動低下、加齢に伴う筋力や認知機能の低下、ADL低下による長期臥床で廃用の進行、薬剤による影響、経腸栄養チューブの位置異常など、さまざまな要因によって引き起こされる。また、口腔内に唾液や内容物が溜まると気管内へ流入するリスクが高まるため、口腔内の衛生環境も影響する。
看護師は、患者さんのADLや生活背景を考慮しながら、誤嚥の予防に向けたアセスメントと対応を継続的に行うことが求められる。例えば、臥床時や食事の際には、30度以上のギャッチアップや安定した座位姿勢を保持するなど、誤嚥を防ぐための適切な体位調整を行う。さらに、原疾患に伴う感覚障害の有無に加え、嚥下の状態や咳嗽反射の強さなどを観察し、刻み食やとろみ付きなど状況に応じた食事形態の調整と、継続的な口腔ケアなど実施する。
●用語を使用した例文
加齢に伴う嚥下機能低下から誤嚥リスク状態が考えられる。
●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版 医学書院,2021,p.465.
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