咳嗽反射
がいそうはんしゃ
咳嗽反射とは、気道内に貯留した分泌物や異物が気道を刺激し、気道外に排出するための生体防御反応である。咳嗽の反射中枢は延髄に存在する。咽頭や気道における異物による刺激を受け、迷走神経が延髄の咳中枢へと情報を伝え咳嗽が引き起こされる場合と、咳衝動が大脳皮質に伝わり、咳嗽を起こす場合もある。心因性の咳嗽などが後者にあたる。延髄から横隔神経を介し、横隔膜や外肋間筋を収縮することで短い吸気が起こる。次に声門が閉鎖し、同時に呼吸筋が収縮し胸腔内圧が上昇する。そして声門が開き、呼気が起こることで強い空気の流れとともに気道内の異物を押し出す。これが咳嗽の仕組みとなっている。
咳嗽は気道内の分泌物や異物だけが原因ではなく、ウイルスや細菌の排出、食べ物や唾液などの誤嚥時にも生じる。咳嗽には、喀痰を伴わない、または少量の喀痰が排出される乾性咳嗽と、咳嗽の度に喀痰を伴う湿性咳嗽がある。乾性咳嗽では、気管支炎後の症状としてみられる場合や、アトピー喘息、咳喘息などがある。湿性咳嗽はかぜ症候群などで見られ、長引く場合慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)や心不全の増悪時、など、また結核でも見られることがある。
参考文献
・巽浩一郎, 松村譲兒,医療情報科学研究所編:呼吸器の解剖 感染防御. 病気がみえる vol.4 呼吸器 第2版. メディックメディア.2013.p.5-7.
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