看護用語集

安楽障害

あんらくしょうがい

安楽障害とは、患者さんが何らかの要因により苦痛を自覚しており、快適でない状態である。NANDA-Iの看護診断では「身体的・心理スピリチュアル的・環境的・文化的・社会的側面における、安心・緩和・超越が欠如していると認識している状態1) 」と定義されている。この状態はさまざまな要因が絡み合い、患者さんのQOLに大きな影響を与える。

身体的には疼痛や呼吸困難感などの不快な症状が要因に挙げられ、心理的には不安恐怖感、孤独感などが影響する。スピリチュアル的には、人生の意味や目的の喪失、葛藤が関与し、環境的には病室の騒音や温度・湿度管理の問題、プライバシーの欠如などが要因となる。そのほか、文化や習慣、価値観や言語の違いなどの文化的な要因、経済的負担や家族・ソーシャルサポートの不足など社会的要因も影響する。

看護師はさまざまなこれらの要因を包括的に評価し、適切なアセスメント看護計画の立案をする必要がある。ケアや多職種との連携を通じて、患者さんの苦痛を軽減または予防し、安楽を促進するための看護ケアが求められる。

●用語を使用した例文
患者さんの安楽障害について、包括的な評価をするために関連図を作成した。

●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版 医学書院,2021,p.556

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:山﨑博貴

同音異義語・略語
安楽障害の同音異義語・略語は未登録です
「安楽障害」に関する看護記事
該当する記事がありません
新着の看護記事
  • 人気の看護記事