術後回復遅延リスク状態
じゅつごかいふくちえんりすくじょうたい
術後回復遅延リスク状態とは、さまざまな要因で術後回復の遅れや合併症が起こる可能性がある状態を示す。NANDA-Iの看護診断では「手術後に、生命・健康・ウェルビーイングを維持する活動を、開始および実行するまでに必要な日数が延長しやすく、健康を損なうおそれがある状態1) 」と定義されている。すでに術後の回復が遅れている場合は「術後回復遅延」の看護診断を用いる。
術後回復の遅れや合併症を引き起こすリスクには、身体・精神・環境・医療の4つの側面が考えられる。
身体的要因としては、高齢、基礎疾患、栄養不足などによって予備力の低下があり、回復が進みにくくなったり、感染症のリスクが高まる。精神的要因には、疼痛への不安やストレスがあてはまり、それによって活動量が低下すると回復の遅れに繋がる。また、せん妄による危険動作によって合併症を引き起こす可能性もある。環境的要因では睡眠不足や、適切なケアやリハビリが受けられない状況が考えられる。医療的要因としては薬の副作用や、周手術期(術前・術中・術後)の管理不足などが挙げられる。
看護師はこれらのリスク要因を評価するために周術期における患者さんの状態を総合的にアセスメントする。看護診断後は多職種や家族とも必要に応じて連携を図りながら、栄養管理や精神的な支援など、個々の患者さんに応じた看護を提供する必要がある。
●用語を使用した例文
糖尿病の既往があり術後創の治癒が遅れるリスクがあるため、術後回復遅延リスク状態の看護計画を立案した。
●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版 医学書院,2021,p.518
術後回復の遅れや合併症を引き起こすリスクには、身体・精神・環境・医療の4つの側面が考えられる。
身体的要因としては、高齢、基礎疾患、栄養不足などによって予備力の低下があり、回復が進みにくくなったり、感染症のリスクが高まる。精神的要因には、疼痛への不安やストレスがあてはまり、それによって活動量が低下すると回復の遅れに繋がる。また、せん妄による危険動作によって合併症を引き起こす可能性もある。環境的要因では睡眠不足や、適切なケアやリハビリが受けられない状況が考えられる。医療的要因としては薬の副作用や、周手術期(術前・術中・術後)の管理不足などが挙げられる。
看護師はこれらのリスク要因を評価するために周術期における患者さんの状態を総合的にアセスメントする。看護診断後は多職種や家族とも必要に応じて連携を図りながら、栄養管理や精神的な支援など、個々の患者さんに応じた看護を提供する必要がある。
●用語を使用した例文
糖尿病の既往があり術後創の治癒が遅れるリスクがあるため、術後回復遅延リスク状態の看護計画を立案した。
●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版 医学書院,2021,p.518
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