死の不安
しのふあん
死の不安とは、自分自身や親しい人の死に関連する恐怖や不安などの感情によって、日常生活や心身の健康に影響を及ぼす状態を指す。NANDA-Iの看護診断では「自分や大切な人たちの死や、死のプロセスの予感によって起こる、常道的な苦痛と不安定さが、生活の質(QOL)に悪影響を及ぼしている状態1)」と定義されている。
死に関連する恐怖や不安には、死そのものに対する不確実性や恐怖感、死後の存在についての懸念なども含まれる。この感情自体は自然な反応だが、情動不安や無力感などの精神症状、不眠、動悸、息切れ、食欲低下などの身体症状が伴う場合、この看護診断の適用が考えられる。
また、死の過程に伴う苦痛や孤独も関連するため、高齢者や終末期の患者さんだけでなく、慢性疾患をもつ患者さん、手術を控えた患者さん、突然の生命の危機に直面した患者さんにもこの状態がみられる可能性がある。
患者さん自身が抱える死の不安には身体的、精神的、社会的な要因が存在する。身体的な要因には、終末期疾患や慢性疾患、生命を脅かす疾患などが含まれ、精神的要因には、治癒や寛解が見込めないことへの不安や絶望感がある。社会的要因には、孤立感、死に対する文化的・宗教的価値観の影響が挙げられる。
看護師は患者さんの不安に寄り添い、安心感を提供しながら個別性に応じたケアを行うことが求められる。まずは、患者さんの死の不安の程度や背景を理解することが大切である。患者さんがどのような死生観をもっているかを把握することで、適切なケアに繋がる。また、傾聴や共感的態度を心がけ、死への感情が表現しやすい環境を整えることも重要である。
●用語を使用した例文
死の不安を感じている患者さんに対して価値観や死生感を尊重したケアを行う。
●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版 医学書院,2021,p.407
死に関連する恐怖や不安には、死そのものに対する不確実性や恐怖感、死後の存在についての懸念なども含まれる。この感情自体は自然な反応だが、情動不安や無力感などの精神症状、不眠、動悸、息切れ、食欲低下などの身体症状が伴う場合、この看護診断の適用が考えられる。
また、死の過程に伴う苦痛や孤独も関連するため、高齢者や終末期の患者さんだけでなく、慢性疾患をもつ患者さん、手術を控えた患者さん、突然の生命の危機に直面した患者さんにもこの状態がみられる可能性がある。
患者さん自身が抱える死の不安には身体的、精神的、社会的な要因が存在する。身体的な要因には、終末期疾患や慢性疾患、生命を脅かす疾患などが含まれ、精神的要因には、治癒や寛解が見込めないことへの不安や絶望感がある。社会的要因には、孤立感、死に対する文化的・宗教的価値観の影響が挙げられる。
看護師は患者さんの不安に寄り添い、安心感を提供しながら個別性に応じたケアを行うことが求められる。まずは、患者さんの死の不安の程度や背景を理解することが大切である。患者さんがどのような死生観をもっているかを把握することで、適切なケアに繋がる。また、傾聴や共感的態度を心がけ、死への感情が表現しやすい環境を整えることも重要である。
●用語を使用した例文
死の不安を感じている患者さんに対して価値観や死生感を尊重したケアを行う。
●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版 医学書院,2021,p.407
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