看護用語集

無力感

むりょくかん

無力感とは、自分の力では何もできないと感じて喪失感がある状態を指す。

例えば、進行性の疾患による疼痛や倦怠感でできないことが増え、日常生活にも支障が出てきたときなどがあり、患者さんは頑張って治療を受けてきたにもかかわらず状態がよくならないことによって無力感を抱く可能性がある。

また看護師も、患者さんに対して十分なケアができていないと感じたり、自分の看護に意味があるのかと考えたりすることにより無力感を抱えることがある。例えば、終末期の患者さんが呼吸困難感や疼痛などの症状を訴えている際、看護師として十分に支えられていないのではないかと不安を感じるときや、集中治療室の患者さんの治療が思うように進まないときなどが考えられる。無力感を抱くことで心身の健康や仕事へのモチベーションに影響することがある。

患者さんが無力感を抱いている場合は、症状だけでなく精神的な面においても介入が必要となる。看護師無力感を抱く背景と患者さんの思いを把握し、多職種と連携して患者さんの身体的、精神的なサポートを行う。

看護師が日々の業務で無力感に苛まれたときは、自己の看護実践を考える機会だと捉えることが大切である。看護師は自らの判断や行動に責任をもち、倫理的・法的規範に基づいて看護を実践する能力や、状況に応じて判断する能力を求められる。看護師としての役割を果たすために、自己の看護実践を振り返り自らの実践能力の向上に努める。

●用語を使用した例文
終末期の患者さんに実践した看護ケアの効果が見えにくく無力感を感じた。

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:p

同音異義語・略語
無力感の同音異義語・略語は未登録です
「無力感」に関する看護記事
該当する記事がありません
新着の看護記事
  • 人気の看護記事