看護用語集

ガス交換障害

がすこうかんしょうがい

ガス交換障害とは肺や細胞において、酸素の取り込みや二酸化炭素の排出がスムーズに行われない病態のことである。NANDA-Iの看護診断では「酸素化と二酸化炭素排出の両方またはいずれか一方が、過剰または不足した状態1)」と定義されている。

肺におけるガス交換障害は、気道の分泌物が増えたり排出する能力が下がったりすること、運動の増加、肥満、肺拡張を妨げる体位などにより、外気の取り込みや排出が十分にできないことなどが原因として挙げられる。そのほか、心疾患や気管支喘息などが関連している場合もある。

ガス交換障害により PaO2の低下やPaCO2の増加、呼吸深度やリズムの変化、頭痛、発汗、心拍数の増加など、ほかにもさまざまな症状がみられる。

看護師患者さんの症状バイタルサイン、検査データ、画像データを組み合わせてアセスメントをする。呼吸をしやすい体位を整え、痰が貯留している場合は体位ドレナージなどを実施し、。低酸素状態の場合は酸素投与を検討する。また、呼吸困難感に伴い不眠不安、ADLの低下などがみられることもあるため、患者さんの状態に合わせたケアを提供する。

●用語を使用した例文
肺胞毛細血管膜が厚くなって拡散障害がおこったり、間質に水分が溜まったりすると、肺胞内の酸素・二酸化炭素が通過できず、ガス交換障害が起こる。

●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版.医学書院,2021年,p.245

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:山﨑博貴

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