看護用語集

中心静脈

ちゅうしんじょうみゃく

中心静とは、心臓の右心房に流入する直前に位置する上大静と下大静を指す。末梢静と比べて、血管径が太く血流量が多いことから、カテコラミン製剤、抗がん剤、カリウム製剤、など刺激性のある薬剤や高濃度輸液、中心静栄養TPN)などの高カロリー輸液の投与に適している。

TPNは、経口や経腸で必要な栄養が摂取できない患者さんに対し、糖質・脂質・タンパク質、電解質、ビタミンなどを高濃度で静内投与する栄養方法である。

内頸静、鎖骨下静、大腿静からカテーテルを挿入し、先端を中心静内に留置する方法を中心静カテーテルCVC)と呼ぶ。CVCの先端が右心房付近の上大静ないし下大静に位置するため、CVCを用いて中心静圧(CVP)の測定も可能である。

看護師は、中心静の位置、投与する薬剤CVCの適応と管理を理解し、日々の観察ケアを行うことが求められる。CVCはカテーテル関連血流感染症(CRBSI)のリスクがあるため、挿入部位観察や必要に応じたドレッシング交換など、適切な管理が重要である。

●用語を使用した例文
中心静カテーテルCVC)を用いて中心静栄養TPN)を行う場合は、感染リスクに注意する。

●用語に関連する国試過去問
中心静から投与しなければならないのはどれか。
1. 脂肪乳剤
2. 生理食塩液
3. 5%ブドウ糖液
4. 高カロリー輸液

第108回看護師国家試験(2019年)
解答

4



監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:p

同音異義語・略語
CV
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