看護用語集

中毒リスク状態

ちゅうどくりすくじょうたい

中毒リスク状態とは、必要量以上の薬物や化学物質などの有害物質を、誤って接触・摂取する可能性が高く、健康障害を引き起こしやすい状態を指す。NANDA-Iの看護診断では「健康に悪影響を及ぼす量の薬物や危険物への不慮の暴露、あるいはそれらの摂取が起きやすく、健康を損なうおそれのある状態1)」と定義されている。

このリスクを高める要因は内的要因(個人的要因)と、外的要因(環境要因)に分けられる。内的要因には、視力・認知機能の低下、多剤併用、服薬管理能力の不足が挙げられる。

また、アルコール・薬物への依存、精神状態の不安定さなどにより判断力が低下し、薬剤の誤用(過量摂取や飲み間違い)を招くことがある。

外的要因としては、家庭内や職場における洗剤・農薬などの管理不良、表示の不明瞭さなどが挙げられる、特に、小児高齢者は、危険物の誤飲や誤用が起こりやすく、より一層の注意が必要となる。

実際に中毒が生じると、悪心・嘔吐、意識障害呼吸抑制、痙攣、循環不全など多様な症状が現われる。重症化すると生命にかかわる危険性が高い。

そのため看護師には、発症後の対応だけでなく、未然に防ぐための予防の視点が求められる。まずは患者さんの服薬状況や自己管理能力、生活環境、危険物の保管状況を把握し、中毒に繋がるリスクを総合的に評価する。必要に応じて、服薬指導や誤飲防止のための環境調整、家族への教育を多職種と連携して支援する。

●用語を使用した例文
独居で多剤服用している患者さんに中毒リスク状態が認められたため、服薬管理の見直しと家族への支援や社会資源の活用を含めた看護計画を立案した。

●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類 第12版.医学書院,2021,p.537.

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:山﨑博貴

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