看護用語集

非効果的脳組織灌流リスク状態

ひこうかてきのうそしきかんりゅうりすくじょうたい

非効果的脳組織灌流リスク状態とは、脳への血流が不安定になりやすく、身体機能に影響を及ぼす可能性がある状態を指す。NANDA-Iの看護診断では「脳組織の血液循環が低下しやすく、健康を損なうおそれのある状態1) 」と定義されている。この状況下では、嘔気、めまい意識レベルの低下、運動障害、感覚障害、構音障害などの症状が現われることがある。

非効果的脳組織灌流リスク状態を引き起こす原因には、硬化や高血圧などの血管性疾患、心房細動心不全などの心疾患が挙げられる。また、脳梗塞脳出血など脳血管疾患なども脳血流が低下しやすくなる。さらに、脱水、貧血、感染症なども重症度によっては循環動態に影響を与え、脳血流が低下するリスクが高まる。

脳は低酸素や栄養不足に敏感な臓器であり、わずかな血流の低下でも神経細胞の損傷や機能低下を引き起こすため、早期の介入が求められる。看護師バイタルサインの推移や意識レベルなどを継続的に観察することが重要である。 また、体重の推移、血液データの推移、画像検査の推移なども随時確認し、運動障害、感覚障害、構音障害などの神経学的異常がみられた場合は早急に医師へ報告する。

●用語を使用した例文
非効果的脳組織灌流リスク状態評価して、医師の指示にもとづく血圧管理を行う。

●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版 医学書院,2021,p.290

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
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