自尊感情状況的低下リスク状態
じそんかんじょうじょうきょうてきていかりすくじょうたい
自尊感情状況的低下リスク状態とは、患者さんの自己評価が低下する徴候がみられ、心身に悪影響を及ぼす可能性がある状態のことである。NANDA-Iの看護診断では「現状を受けて、自己価値・自己受容・自己尊重・能力・自己に対する態度についての認識が、肯定的から否定的へと変化しやすく、健康を損なうおそれのある状態1)」と定義されている。すでに患者さんの自己認識が否定的になり、心身に支障をきたしている場合は「自尊感情状況的低下」の看護診断が適用される。
自尊感情状況的低下リスク状態には、身体的・心理的・社会的・スピリチュアル的など、さまざまな要因が影響する。例えば、脊髄損傷で下半身不随になった患者さんの場合、歩行や排泄ができなくなるという身体的要因のほかに、過去の自分との比較によって将来への喪失感や無力感が生じ、アイデンティティが揺らぐといった心理的要因も影響する。さらに活動が制限されることによる仕事の喪失や収入減少、人間関係の変化といった社会的要因も関与するなど、さまざまな要因が相互に作用して、患者さんの自己評価が低下する恐れがある。
看護師は包括的な情報収集とアセスメントを通じて看護計画を立案し、患者さんの価値観を尊重したケアを提供する。また、多職種との連携を調整し、患者さんと話し合いながら達成可能な小さな目標から設定することが大切である。さらに、評価時にはポジティブなフィードバックを取り入れ、自己評価の安定を支援する。
●用語を使用した例文
認知症により物忘れが多くなった患者さんは、自尊感情状況的低下リスク状態にある。
●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版 医学書院,2021,p.336
自尊感情状況的低下リスク状態には、身体的・心理的・社会的・スピリチュアル的など、さまざまな要因が影響する。例えば、脊髄損傷で下半身不随になった患者さんの場合、歩行や排泄ができなくなるという身体的要因のほかに、過去の自分との比較によって将来への喪失感や無力感が生じ、アイデンティティが揺らぐといった心理的要因も影響する。さらに活動が制限されることによる仕事の喪失や収入減少、人間関係の変化といった社会的要因も関与するなど、さまざまな要因が相互に作用して、患者さんの自己評価が低下する恐れがある。
看護師は包括的な情報収集とアセスメントを通じて看護計画を立案し、患者さんの価値観を尊重したケアを提供する。また、多職種との連携を調整し、患者さんと話し合いながら達成可能な小さな目標から設定することが大切である。さらに、評価時にはポジティブなフィードバックを取り入れ、自己評価の安定を支援する。
●用語を使用した例文
認知症により物忘れが多くなった患者さんは、自尊感情状況的低下リスク状態にある。
●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版 医学書院,2021,p.336
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