看護用語集

皮弁

ひべん

皮弁とは、皮膚損傷を覆うための皮膚外科的手技のこと。健常な皮膚及び皮下組織を目的に応じた深さで下床から剥離し、弁状に切離して損傷部位に移動する方法である。血管をつなげまま移植する有茎皮弁と、血管を切り離して血管吻合を行う遊離皮弁があり、大きな組織欠損、死腔のある部位、陥凹のある部位、関節部、腱・骨・人工物の露出部などに適応がある。皮弁に使用する組織は、臀部や腹部など、組織が欠損しても影響が少ない部位から採取されるが、患者の体型によって異なる。

術後合併症として、術後変形、瘢痕拘縮、ケロイド、潰瘍、褥瘡、リンパ浮腫などが挙げられ、特に術直後は、何らかの血流障害により皮弁組織が壊死することがある。皮膚の色が変色した場合は緊急手術になる可能性もあるため、皮膚の色を注意深く観察することが求められる。

■参考文献
●和田攻,他編:看護大事典 第2版,医学書院,2010,p.2478.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:中原美穂(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

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