浮腫
ふしゅ
浮腫とは、何らかの要因によって、組織間に水分(細胞外液)が異常に増えて、皮下組織に溜まった状態である。
正常では、細胞外液は血管内静水圧によって毛細血管中の水分から供給される一方、逆に血漿膠質浸透圧によって組織間から毛細血管内に流入し、細胞外液量はバランスが保たれている。また、組織間液の一部はリンパ管へ流入して最終的に静脈へ戻っていく。
しかし、1)血管内静水圧の上昇によって毛細血管から多くの細胞外液が流出したり、2)血漿膠質浸透圧の低下によって毛細血管に吸収される細胞外液が少なくなったり、3)リンパ流の阻害によってリンパ管へ細胞外液が流れていかなくなったり、あるいは、4)ホルモン異常などで生じる血管透過性の亢進による血管外への水分の漏出によって、組織間の細胞外液が増加し浮腫が生じる。
図 浮腫のメカニズム
浮腫は、左右対称に全身に浮腫がみられる全身性浮腫と、身体の片側や顔面や下肢など部分的に出現する局所性浮腫に分類される。臨床でよく遭遇するものは下肢の浮腫であるが、上肢や顔面にも浮腫は生じる。例えば、乳がんの手術でリンパ節を切除すると、術後に上肢に浮腫が生じる場合がある。また、肺がんや縦隔腫瘍によって上大静脈が圧迫されると、上肢や顔面に浮腫が生じることがある。
浮腫が生じる原因は、心不全などの心疾患、腎不全やネフローゼ症候群などの腎疾患、肝硬変や肝不全などの肝疾患、低アルブミン血症、ホルモン異常、深部静脈血栓症(DVT)、がん性リンパ管症、蜂窩織炎などが考えられる。
●用語を使用した例文
心不全で体液貯留が生じて、下肢に浮腫が生じている。
●用語に関連する国試過去問
術後1日の手術創の正常な治療過程として正しいのはどれか。
1.創部の浮腫が起きる
2.肉芽組織が形成される
3.コラーゲンが成熟し瘢痕組織となる
4.血管内細胞が新しい血管を形成する
第111回看護師国家試験(2022年)
●参考文献
公益財団法人日本心臓財団:心不全Question6.(2024年5月16日閲覧)https://www.jhf.or.jp/pro/hint/c4/hint006.html
一般社団法人日本呼吸器学会:呼吸器Q&A.(2024年5月16日閲覧)https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/
正常では、細胞外液は血管内静水圧によって毛細血管中の水分から供給される一方、逆に血漿膠質浸透圧によって組織間から毛細血管内に流入し、細胞外液量はバランスが保たれている。また、組織間液の一部はリンパ管へ流入して最終的に静脈へ戻っていく。
しかし、1)血管内静水圧の上昇によって毛細血管から多くの細胞外液が流出したり、2)血漿膠質浸透圧の低下によって毛細血管に吸収される細胞外液が少なくなったり、3)リンパ流の阻害によってリンパ管へ細胞外液が流れていかなくなったり、あるいは、4)ホルモン異常などで生じる血管透過性の亢進による血管外への水分の漏出によって、組織間の細胞外液が増加し浮腫が生じる。
図 浮腫のメカニズム
浮腫は、左右対称に全身に浮腫がみられる全身性浮腫と、身体の片側や顔面や下肢など部分的に出現する局所性浮腫に分類される。臨床でよく遭遇するものは下肢の浮腫であるが、上肢や顔面にも浮腫は生じる。例えば、乳がんの手術でリンパ節を切除すると、術後に上肢に浮腫が生じる場合がある。また、肺がんや縦隔腫瘍によって上大静脈が圧迫されると、上肢や顔面に浮腫が生じることがある。
浮腫が生じる原因は、心不全などの心疾患、腎不全やネフローゼ症候群などの腎疾患、肝硬変や肝不全などの肝疾患、低アルブミン血症、ホルモン異常、深部静脈血栓症(DVT)、がん性リンパ管症、蜂窩織炎などが考えられる。
●用語を使用した例文
心不全で体液貯留が生じて、下肢に浮腫が生じている。
●用語に関連する国試過去問
術後1日の手術創の正常な治療過程として正しいのはどれか。
1.創部の浮腫が起きる
2.肉芽組織が形成される
3.コラーゲンが成熟し瘢痕組織となる
4.血管内細胞が新しい血管を形成する
第111回看護師国家試験(2022年)
解答
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●参考文献
公益財団法人日本心臓財団:心不全Question6.(2024年5月16日閲覧)https://www.jhf.or.jp/pro/hint/c4/hint006.html
一般社団法人日本呼吸器学会:呼吸器Q&A.(2024年5月16日閲覧)https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/
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