看護用語集

迷走神経反射

めいそうしんけいはんしゃ

迷走神経反射とは、生体防御反応の一つ。極度の緊張・不安、強いストレス、穿刺の痛みなどにより、副交感神経である迷走神経が刺激され、心拍数の低下や血管拡張による血圧低下などをきたし、脳への血流が滞ることで起こる。

看護の場面では、採血注射の穿刺時、心臓カテーテルや大腸内視鏡といった侵襲を伴う検査・治療の際に遭遇することが多い。頭痛、頭重、嘔気・嘔吐、冷汗、視界不良、ふらつき、めまいなど、迷走神経反射による症状がみられた場合は、患者を仰臥位にして下肢を挙上させ、下着やベルトを緩めるなどの対処を行う。これらの対処により、通常、数分程度で回復する。

迷走神経反射を起こしやすい場合は、事前に対処しておくことが重要となる。過去に迷走神経反射を起こした経験があるかどうかヒアリングし、例えば、採血時にめまいが出現したことがある患者に対しては、ベッド上で採血する(転倒・転落防止)、仰臥位で採血する、採血時はこまめに声かけを行うなどの対処を行う。


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:岸本智砂子(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

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