看護用語集

セデーション

せでーしょん

セデーションとは、薬剤を使用して意識レベルを低下させ、痛みや苦痛を軽減する処置のこと。鎮静ともいう。侵襲を伴う処置や検査、手術、緩和ケア、歯科治療などで施行され、内視鏡検査(上部消化管・大腸など)では検査への不安やストレス、苦痛や不快感を和らげることを目的に、呼びかけに反応できるがウトウトとした状態(意識下鎮静)になる程度の鎮静薬が投与される。薬剤副作用として、検査後に悪心やめまい、頭痛が生じることがある。


人工呼吸中においては、患者が感じている人工呼吸器装着による不快感、疼痛などの身体的苦痛、精神的苦痛の軽減を目的に、主に作用時間の短い薬剤を用いて十分な鎮静が行われる。一方で、不必要な鎮静患者の予後にも影響を及ぼすため、薬剤を減量あるいは中断するなどの調整を行い、患者や家族とも協議して鎮静の必要性を見直すことも重要になる。人工呼吸中の苦痛は、不穏せん妄の促進要因になり、気管チューブの自己(事故)抜去のリスクを高めることからも適正なセデーションが求められる。


終末期の苦痛緩和を目的としたセデーションは、ターミナルセデーションと呼ばれる。原則として、鎮静薬で一定期間(数時間)苦痛を緩和した後、投与を中止する間欠的鎮静や、できるだけ意識レベルを下げずに苦痛が緩和されるよう少量から鎮静薬を持続的に投与する調整型鎮静が優先して考慮される。治療抵抗性の耐えがたい苦痛が疑われる場合には、状況に応じて持続的で深い鎮静が限定的に行われることがある。


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:杉田和代(有明医療大学看護学部看護学科 講師)

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