被殻出血
ひかくしゅっけつ
脳基底核の一部である被殻での出血を示すものである。かつては脳出血のうち被殻出血が多くを占めていたが、久山町研究(2014)によると被殻出血が占める割合は減少し、視床出血が最も多くなっている。
被殻出血は、高血圧の長期にわたる不十分な管理による動脈硬化の悪化などによるレンズ核線条体動脈が破れることにより発生する。そのため、被殻出血の予防、再発防止のためには、日頃からの血圧管理が重要である。
限局したごく少量の被殻出血の場合、症状が出ないことがある。出血の結果生じた血腫が増大して内包を圧迫したり、また、血腫が内包に及ぶと、出血した部位と反対側の半身の運動麻痺や感覚障害が出現する。出血部位が優位半球にある場合、失語症(感覚性失語、運動性失語、全失語)を伴うこともある。出血量が少なく意識レベルが保たれている場合、保存療法となることが多い。出血量が多く血腫が増大し神経学的所見が示される、または血腫による圧迫所見が高度な場合、血腫を取り除くと同時に、出血点の止血を行うための開頭手術もしくは内視鏡下での手術を行う。
参考文献
・Gotoh,S., Hata,J., Ninomiya,T., et. al.:Trends in the Incidence and Survival of Intracerebral Hemorrhage by its Location in a Japanese Community – The Hisayama Study –. Circulation Journal: Official Journal of the Japanese Circulation Society, 78:403–409. 2014.
・古和久典,中島健二:高齢者の脳出血の現状.日本老年医学会雑誌:54(4):514-518. 2017.
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