看護用語集

リスク型看護診断

りすくがたかんごしんだん

リスク型看護診断とは、対象者に将来起こり得る健康上の問題に対して、危険性の高さを評価する看護診断である。NANDA-Iでは「個人・介護者・家族・集団・コミュニティの、健康状態/生命過程に対する好ましくない人間の反応の発症につながる、脆弱性についての臨床判断である。1)」と示されている。

現時点で問題が顕在化していなくても、リスクを評価することで、予防的介入に結びつけることができる。

リスク型診断を行うには、脆弱性を高める危険因子の存在が前提となる。例えば、長期臥床、免疫抑制状態、高齢などの危険因子があると、褥瘡感染、転倒といった将来発生し得る健康上の問題(リスク)を評価することが必要となる。危険因子には、患者さん固有の健康状態や生活習慣だけでなく、環境的要因や社会的背景なども含まれる。

看護師は、患者さんの状態や背景を総合的に評価し、リスクの早期発見と予防策を立案・実行することが重要である。これにより、患者さんのQOLを守り、合併症や入院期間の延長といった負の影響を回避することが期待できる。

●用語を使用した例文
嚥下機能低下に伴う誤嚥の危険因子を評価し、リスク型看護診断を行う。

●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類 第12版.医学書院,2021,p.55,145.

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:山﨑博貴

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