呼吸促拍とは、呼吸数が増加し、かつ呼吸が浅くなった状態をいう。
急性呼吸促迫(窮迫)症候群(Acute Respiratory Distress Syndrome:ARDS)は、臨床的に重症な状態の患者に起こる呼吸不全の一種とされる。細菌感染や外傷による敗血症、重症の肺炎がきっかけで発症する場合があるほか、肺に複数の外傷を負った場合や手術後の病状の悪化によって急激に起こることもある。
ARDSで浅い呼吸の回数が増えると、酸素飽和度と動脈血酸素分圧が急激に低下し、チアノーゼがみられるようになる。状態が悪化するにつれてほかの組織へも影響し、最終的に昏睡状態に陥ることもある。
監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:川上嘉明(有明医療大学看護学部看護学科 教授)