看護用語集

消化管運動機能障害

しょうかかんうんどうきのうしょうがい

消化管運動機能障害とは、胃や小腸、大腸などの消化管が正常に機能しておらず、消化や吸収、排泄において異常がみられる状態である。NANDA-Iの看護診断では「消化管の蠕動運動の亢進、減弱、無効、または欠如が起きている状態1) 」と定義されている。

消化管運動機能障害は、消化管のいずれかの機能に障害が生じている患者さんに用いられる看護診断で、機能障害が発生する可能性が予測される段階では「消化管運動機能障害リスク状態」が適用される。さらに排便に関する具体的な症状に焦点を当て、消化管運動機能障害よりも明確な判断基準がある場合は「便秘」や「下痢」の看護診断が選択される。

消化管運動機能障害は指標となる症状の範囲が広く、消化器症状が出現していた場合に適用されやすい。しかし検討が不十分になりやすく、その結果同じ看護計画になる可能性がある。看護師は継続的に妥当性を検討し、状況に応じてより適切な看護診断看護計画へ変更する必要がある。

●用語を使用した例文
寝たきりで経腸栄養を行っている患者さんでは、栄養滴下速度が適切でない場合や下剤の影響によって下痢便秘を繰り返すことがあるため、、消化管運動機能障害看護計画を立案した。

●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版 医学書院,2021,p.242

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:山﨑博貴

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