看護用語集

社会的相互作用障害

しゃかいてきそうごさようしょうがい

社会的相互作用障害とは、人と適切に交流することが困難な状態を指す。NANDA-Iの看護診断では「社会的交換が、量的に不足か過剰、あるいは質的に無効な状態1) 」と定義されている。

この状態では周囲との関係を築くことが難しく、不適切な対人行動をとることもある。そのため、患者さんは孤独を感じやすくなったり、他者との交流を避けるようになったりするほか、社会的な場面で過剰な不安を抱く、感情表現が乏しくなる、他者の感情を読み取ることが難しくなるといった特徴を示す。

要因のひとつとして精神疾患うつ病不安障害、統合失調症など)が挙げられる。また、認知症や脳血管障害による認知機能低下も要因になり得る。さらに、長期にわたる入院や介護施設での生活、身体障害や精神障害による社会的な孤立といった環境的な要因も影響する。

社会的相互作用障害患者さんは孤独感や不安を抱えていることがあるため、看護師傾聴と共感的な態度を心がけて寄り添い、少しずつ社会的な交流の機会を増やせるよう個別性のあるケアを実践することが重要である。

まず患者さんの身体状態や精神状態を把握し、日々の生活環境について情報を収集する。そのうえで、患者さんのコミュニケーション能力に合わせた適切な介入方法を検討し、状況に応じて他者と交流できる場を調整する。

●用語を使用した例文
社会的相互作用障害のある患者さんに対して多職種と連携した支援を実施する。

●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版 医学書院,2021,p.370-1

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
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