看護用語集

非効果的呼吸パターン

ひこうかてきこきゅうぱたーん

非効果的呼吸パターンとは、回数やリズムなどが乱れ、正常呼吸ができていない病態である。NANDA-Iの看護診断では「吸気と呼気の両方またはいずれか一方で、十分に換気できない状態1)」と定義されている。

肋骨骨折、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など気道関連の障害、心疾患、神経筋疾患、脊髄損傷などが原因になり得る。

みられる症状にはチアノーゼ呼吸困難、低酸素血症、頻(多)呼吸症状があり、ガス交換障害や非効果的気道浄化の症状と一部重複するが、非効果的呼吸パターンは1回換気量や肺活量、呼気、吸気の圧の低下など、呼吸の質や量、頻度でみられる異常にフォーカスしている。

看護師患者さんの呼吸困難感の軽減や、スムーズに呼吸するためのケアを検討する必要がある。例えば、肋骨骨折に伴う疼痛が原因であれば、NRSで疼痛の程度を把握し鎮痛薬の使用を検討し、患部の冷却やクッションを軽くあてながら深呼吸を促す場合もある。

●用語を使用した例文
極度の緊張で過換気症候群になった女性に、非効果的呼吸パターンが認められたため、呼吸指導と安心してもらうためのタッチングケアを実施した。

●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版.医学書院,2021年,p.274

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:山﨑博貴

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