陰性T波
いんせいてぃーは
陰性T波とは、心電図波形のT波が上向き(山型:陽性波)ではなく、下向き(谷型:陰性波)に描出されること。主に虚血性疾患、心肥大・心筋症、心筋炎、肺血栓塞栓症、脳血管障害などで出現する。
T波は、P波-QRS波に続いてみられる波形で、心筋の興奮(脱分極)からの回復(再分極)過程を表す。正常な心電図波形では、I、II、VからV誘導では上向き、aVRでは下向きとなるが、それ以外の誘導では上下どちらにもなり得る。
特異なT波の変化として、高カリウム血症でみられるテント状T波、低カリウム血症でみられる平坦化T波、急性心筋梗塞でみられる冠性T波、一過性の心筋虚血でみられる二相性T波などがある。
■参考文献
●村田広茂,他:T波の多様な形状.今さら聞けない心電図波形塾.心電図 2023;43(3):170-5.
●淀川顕司:T波の多型に迫る.心電学フロンティア2021(第55回理論心電図研究会).心電図 2022;42(2):103-8.
●和田攻,他編:看護大事典 第2版.医学書院,2010,p.116.
●医療情報科学研究所,編:病気がみえるvol.2 循環器 第4版.メディックメディア.2019,p.372.
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