看護用語集

ダンピング症候群

だんぴんぐしょうこうぐん

ダンピング症候群とは、胃切除術後に起こる合併症のこと。食後30分前後で起こる早期ダンピング症候群と食後2~3時間後に起こる後期ダンピング症候群に大別される。

早期ダンピング症候群は、高張な胃内容物が急速に小腸に流入して小腸内が高浸透圧となり、血管内から腸管内に水分が移動することで起こる。動悸、発汗めまい、失神、脱力、顔面紅潮、顔面蒼白のほかに、腹痛や下痢、悪心・嘔吐などの腹部症状を認める。

一方、後期ダンピング症候群は、胃内容物が小腸に急速に流入して一時的に高血糖となり、これに反応してインスリンが過剰に分泌されることで起こる反応性低血糖である。冷汗、めまい、失神、手指の震え、全身脱力感、空腹感などが出現する。

ダンピング症候群予防するためには、1回の食事摂取量を減らして食事回数を増やす、食事内容は低糖質・高脂質・高タンパクを基本とする、食事中の水分摂取量は減らすなど、食事の摂取方法や食事内容を工夫することが求められる。

■参考文献
●和田攻,他編:看護大事典 第2版.医学書院,2010,p.1959.
  ●医療情報科学研究所,編:病気がみえる vol.1 消化器 第6版.メディックメディア, 2020, p.134-5.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:中村充浩(有明医療大学看護学部看護学科 講師)

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