看護用語集

アトロピン

あとろぴん

アトロピンとは、副交感神経遮断薬(抗コリン薬)の一つ。チョウセンアサガオやハシリドコロなど、ナス科の植物に含まれるアルカロイドの一種で、スコポラミンとともにベラドンナアルカロイドといわれる。ムスカリン受容体に結合して副交感神経の伝達を遮断し、分泌抑制、瞳孔散大、眼内圧上昇、消化管平滑筋弛緩、心拍数増大といった作用をもたらす。

迷走神経反射が起こったときや心肺蘇生を行う際などに用いられるが、緑内障の患者、前立腺肥大による排尿障害がある患者麻痺イレウス患者薬剤に含まれる成分に対して過敏症の既往歴がある患者では禁忌となる。

主な副作用として、口渇、悪心・嘔吐、緑内障、排尿障害、頭痛、発疹などがあり、ショックやアナフィラキシー様症状といった重大な副作用が出現する場合もある。副作用が生じた際は投与を中止し、適切な処置を行う必要があるため、投与後は十分な観察を行うことが重要となる。

■参考文献
●日本麻酔科学会:麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドライン 第3版.(2023年11月1日閲覧)
http://www.anesth.or.jp/guide/pdf/publication4-8_20181004s.pdf
●永井良三,他監:看護学大辞典 第6版.メヂカルフレンド社,2013.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:乙黒千鶴(有明医療大学看護学部看護学科 講師)

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