看護用語集

高張性脱水

こうちょうせいだっすい

高張性脱水(水分欠乏型脱水)とは、体液が失われ、水と電解質(特にナトリウム;Na)が不足した状態となる脱水において、相対的に水分が多く減少した状態をいう。

水分の不足によって細胞外液のNa濃度と浸透圧が上昇し、細胞内から細胞外へ水分が移動することで細胞内液は減少するが、細胞外液(循環血液量)は比較的維持される。水分摂取不足や過度な水分喪失で起こり、喉の渇きを自覚しにくい高齢者小児、高温環境下での運動や活動時、尿崩症、過剰なNa投与などで多く見られる。輸液による治療では、細胞内に補液するために5%ブドウ糖液が投与される。
高張性脱水高ナトリウム血症を伴う状態であり、症状としては強い口渇感や口腔粘膜の乾燥、尿量の減少、発熱、神経症状(意識の混濁)などが出現する。一方で、脱水の所見として見られる拍の増加や血圧の変化、皮膚ツルゴール(手の甲の張り)の低下は比較的現れにくい。
高張性脱水に対して、Naが多く失われた状態を低張性脱水(Na欠乏型脱水)と呼ぶ。


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)

同音異義語・略語
Hypertonic dehydration
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