看護用語集

フィジカルアセスメント

ふぃじかるあせすめんと

フィジカルアセスメントとは、身体機能を評価することである。身体診察技法ともいわれ、患者看護問題の明確化やエビデンスに基づく看護ケアを行うために重要である。

基本的なフィジカルアセスメントの順番としては、侵襲性の低いものから実施していく。一般的には視診→触診→打診→聴診の順番となるが、腹部は触診により蠕動が影響を受ける可能性があるため、視診→聴診→打診→触診の順番で行う。

実施時には人体の解剖や生理学の知識をもとに、頭部から足先までの系統的な情報収集を行い、正常な状態と比較することで、患者理解につながっていく。

視診、触診、打診、聴診のそれぞれの目的や得られる情報は次のとおり。

視診:視覚を用いて、身体の形態や機能・徴候を観察するが、その際に聴覚や嗅覚も活用していく。大きさや形状、色や部位などの情報が収集できる。必要に応じて検眼鏡や耳鏡を用いる。

触診:触覚を活用し手で触れることで、身体の形態と機能を把握する。大きさや硬さ、部位や温度などの情報が収集できる。

打診:看護者の手や器具を用いて身体の表面を叩くことで、その音や振動、身体の動きから内部の情報を得ることを目的とする。主に、胸腹部の臓器の大きさや密度などの情報を収集する際に行う。深部腱反射を確認する際は、打腱器を用いる。

聴診聴診器を用いて呼吸音や心音、腸蠕動音など体内の音を聴くことで情報を収集できる。

■参考文献
●熊谷たまき,他:フィジカルアセスメント総論.看護がみえるvol3フィジカルアセスメント 第1版.医療情報科学研究所,編,メディックメディア,2019.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:森山 希(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

同音異義語・略語
身体診察技法
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