不使用性シンドロームリスク状態
ふしようせいしんどろーむりすくじょうたい
不使用性シンドロームリスク状態とは、安静や活動制限などにより筋肉や関節を十分に使わない期間が続くことで、健康に悪影響を及ぼす可能性がある状態を指す。
NANDA-Iの看護診断では「指示された、またはやむをえない筋骨格系の不活動状態のために、体組織の崩壊が起こりやすく、健康を損なうおそれがある状態1)」と定義されている。筋骨格系の不活動状態が続くと、筋萎縮、関節拘縮、褥瘡、骨粗鬆症といった廃用性変化が進行し、日常生活動作(ADL)の低下や合併症の発症に繋がる。
この状態には多様な要因が関与する。身体的要因として代表的なものに疼痛があり、強い痛みにより活動が制限されると、臥床が長期化し不活動状態が続く。また、意識レベルの低下、身体拘束、麻痺、薬剤の影響、他者による安静の指示も、活動量を低下させる要因となる。具体例としては、治療のためのギプス固定、麻痺や鎮静状態で四肢や全身の運動が困難な場合などがある。精神的要因には、転倒への恐怖心や抑うつなどによる自発的な活動の低下がある。
看護師は、患者さんの病状や背景を踏まえ、日常的な観察を通して不活動の徴候を早期に捉えることが重要である。また、体位変換、関節可動域訓練、離床支援などの予防的介入を計画的に実施し、必要に応じて理学療法士や作業療法士など多職種と連携して取り組むことが求められる。
●用語を使用した例文
大腿骨頚部骨折の患者さんに不使用性シンドロームリスク状態の看護計画を立案した。
●用語に関連する国試過去問
不活動状態が持続することで生じるのはどれか。
1. 廃用症候群
2. 緊張病症候群
3. 慢性疲労症候群
4. シックハウス症候群
第112回看護師国家試験(2023年)
●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類 第12版.医学書院,2021,p.257.
この状態には多様な要因が関与する。身体的要因として代表的なものに疼痛があり、強い痛みにより活動が制限されると、臥床が長期化し不活動状態が続く。また、意識レベルの低下、身体拘束、麻痺、薬剤の影響、他者による安静の指示も、活動量を低下させる要因となる。具体例としては、治療のためのギプス固定、麻痺や鎮静状態で四肢や全身の運動が困難な場合などがある。精神的要因には、転倒への恐怖心や抑うつなどによる自発的な活動の低下がある。
看護師は、患者さんの病状や背景を踏まえ、日常的な観察を通して不活動の徴候を早期に捉えることが重要である。また、体位変換、関節可動域訓練、離床支援などの予防的介入を計画的に実施し、必要に応じて理学療法士や作業療法士など多職種と連携して取り組むことが求められる。
●用語を使用した例文
大腿骨頚部骨折の患者さんに不使用性シンドロームリスク状態の看護計画を立案した。
●用語に関連する国試過去問
不活動状態が持続することで生じるのはどれか。
1. 廃用症候群
2. 緊張病症候群
3. 慢性疲労症候群
4. シックハウス症候群
第112回看護師国家試験(2023年)
解答
1
●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類 第12版.医学書院,2021,p.257.
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