看護用語集

レジリエンス障害

れじりえんすしょうがい

レジリエンス障害とは、危機や課題に直面した際に、柔軟かつ前向きに対処して乗り越える力(レジリエンス)が十分でない状態のことである。NANDA-Iの看護診断では「困難だと認識している状況や変化する状況から、ダイナミックな適応プロセスによって回復する力が低下した状態1)」と定義されている。

これには、学習意欲や関心の低下、自尊心の低下、恥ずかしさや罪悪感などの心理的要因が影響する。また、家族や交友関係、社会資源の不足や活用できない状況、経済的困窮といった環境要因も関与する。これらの要因が1つあるいは複数重なることで、患者さんは課題解決に向かう力を失いやすい。

看護師は、まず患者さんが安心して感情を表出できる場を提供し、不安を受け止めることが必要となる。また、患者さんの強みやこれまでの成功体験を言語化して確認し、小さな達成感を積み重ねられるよう支援することも有効である。

看護計画では、心理的支援に加えて環境調整や社会資源の活用を盛り込み、多職種と連携した支援を行うことが求められる。

●用語を使用した例文
家族の死去という危機的状況により、患者さんにレジリエンス障害が生じた。

●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類 第12版.医学書院,2021,p.421.

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:山﨑博貴

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