看護用語集

心血管機能障害リスク状態

しんけっかんきのうしょうがいりすくじょうたい

心血管機能障害リスク状態とは、体液循環や代謝調整が乱れることで体内環境の維持や老廃物の排出がうまくいかなくなり、各臓器の機能低下や健康障害を起こしやすい状態のことである。NANDA-Iの看護診断では「物質の運搬、体の恒常性、組織代謝残留物の除去、臓器機能に障害が起こりやすく、健康を損なうおそれがある状態1) 」と定義されている。

生活習慣病や心筋梗塞、脳卒中など循環器疾患の既往歴がある患者さんや高齢者、生活習慣が乱れている人、精神的・社会的な問題を抱える人は、体内の恒常性維持機能が低下しやすく、物質の運搬や老廃物の排出が乱れ、健康障害を招きやすい傾向にある。そのため、心血管機能障害リスク状態に該当する可能性が高い。

看護師は循環、排泄、栄養状態などを観察し、その情報をもとに適切な看護計画を立案する必要がある。また、患者さんのセルフケア向上のための援助治療を通じて、恒常性の維持を図るとともに、精神的・社会的側面にも配慮し、必要に応じて他職種と連携する。

●用語を使用した例文
心血管機能障害リスク状態にある患者さんの短期目標は、脂質と塩分と間食のコントロールにした。

●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類 第12版.医学書院,2021,p.279.

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:山﨑博貴

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