看護用語集

問題焦点型看護診断

もんだいしょうてんがたかんごしんだん

問題焦点型看護診断とは、すでに明らかになっている健康上の問題に対してケアを計画・実施するための看護診断である。NANDA-Iの看護診断では、「個人・介護者・家族・集団・コミュニティの、健康状態/生命過程に対する好ましくない人間の反応についての臨床判断1)」と示されている。この診断は、患者さんが現状で抱えている症状や疾患による問題の解決、または軽減を目指す際に用られる。

問題焦点型看護診断は、看護診断名、定義、診断指標、関連因子といった要素で構成されている。診断の対象となるのは、身体的な問題だけでなく、心理的な問題、社会的な問題など多岐にわたり、さまざまな健康上の問題に対応する。

看護師が診断を行う際は、バイタルサインや検査データなどの客観的情報と、患者さんの表情や訴えなどの主観的情報を総合的にアセスメントする必要がある。そして、看護診断根拠ケアの優先順位を明確にするために、得られた情報はできる限り記録し、一貫した看護を実践していくために、問題や情報をチームで共有することを心がける。

また、診断として挙げた看護問題は、患者さんや家族へ説明し、共通の認識をもつことで、ケアへの参加や協力を得られやすくなる。看護計画評価段階では、診断の見直しや再評価が必要になる場合があるため、患者さんの状態を継続的に観察する。

問題焦点型診断は、看護の専門性を活かして介入を展開するため、どんな看護問題でも列挙するのではなく、実在する看護問題を把握したうえで解決のためにはどのような看護ケアの実践が望ましいかを意識することが大切である。

●用語を使用した例文
術後の痛みに対して、問題焦点型看護診断/u>を用いて看護を実践する。

●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版 医学書院,2021,p.55.

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
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