看護用語集

非効果的健康維持行動

ひこうかてきけんこういじこうどう

非効果的健康維持行動とは、健康を維持するための知識や行動が不十分で、心身の健康管理が難しい状態である。NANDA-Iの看護診断では「健康行動の基礎となる、健康の知識・健康に対する姿勢・健康習慣の管理が、ウェルビーイングの維持や向上、あるいは病気やけがの予防には不十分な状態1) 」と定義されている。

非効果的健康維持行動の要因として、ヘルスリテラシーや健康意識の不足、忙しさやストレスによる生活習慣の乱れ、慢性的な疾患や精神障害、経済的な問題などが挙げられる。また、医療や健康に関する情報やサービスの利用が困難であったり、健康的な習慣を維持しにくい職場や家庭など、環境が影響している場合もある。

看護師患者さんや家族との対話から情報を収集し、生活習慣や行動を観察してその要因を探る。また、非効果的健康維持行動の課題や必要なケアについてアセスメントする。そのうえで患者さんが理解しやすい情報提供や動機づけを行い、無理なく健康の維持・増進を実践できるような看護計画の立案や、継続的なサポートを提供する必要がある。

●用語を使用した例文
無自覚な間食が多い糖尿病患者さんには、非効果的健康維持行動が認められる。

●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版 医学書院,2021,p.167

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:山﨑博貴

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