看護用語集

非効果的コーピング

ひこうかてきこーぴんぐ

非効果的コーピングとは、直面したストレスについて適切な対処行動がとれず、健康状態に影響を及ぼす状態のことであり、コーピング とはストレスから精神を守るための対処方法を指す。 非効果的コーピングの特徴として、感情反応や注意力の変化、倦怠感、頻繁に発生する身体障害、自身や他者への攻撃的な行為などがみられる場合がある。

NANDA-Iの看護診断では「認知面や行動面の努力を伴う、ストレッサー評価が無効なパターンで、ウィルビーイングに関する要求を管理できない状態1)」と定義されている。ストレッサーとはストレスの基となる刺激であり、これを受け取る人の認識やその後の対処でストレス反応の程度が変わるといわれているが、外的要因となる環境や社会的背景なども少なからず影響する。

看護師患者さんの観察や対話からストレスの要因を探り、対応を考える。看護師とのかかわり自体がストレッサーとならないよう、言動に注意し患者さんの表情やコミュニケーションパターンの変化をよく観察する。また、ストレスの原因や対処について患者さんと共通認識をもつためにも、関係性の構築が重要となる。

●用語を使用した例文
小児科に入院中のAちゃんは疾患や治療の理解が年齢的にも難しく、処置の際に暴れたり、看護師にものを投げつけることがあるため、非効果的コーピング看護計画を立案した。

●引用・参考文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版.医学書院,2021年,p.398
・松本 みゆき,他:ストレス反応生起過程における仕事志向性とストレッサーとの領域一致性の影響.産業・組織心理学研究 2011 年;25(1):3-12.

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:山﨑博貴

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